サニーフィルム企画映画上映 18:20-20:30

ブルーツチャトゥイ映画上映


2022年8月27日(土) 18:20-20:30 信濃公堂

サニーフィルム企画映画上映「歩いてみた世界ブルース・チャトウィンの足跡」

原題:Nomad : In the Footsteps of Bruce Chatwin

監督&ナレーション

ヴェルナー・ヘルツォーク音楽:エルンスト・レイシグル

出演

ヴェルナー・ヘルツォーク・ブルース・チャトウィン、エリザベス・チャトウィン、ニコラス・シェイクスピアほか

 

人はなぜ移動するのか。

彗星のように現れこの世を去っていったイギリス人作家ブルース・チャトウィン。この作品は彼の没後 30年に、生前チャトウィンと親交を結んだ巨匠ヴェルナー・ヘルツォークが制作したドキュメンタリーである。ヘルツォーク監督は、パタゴニアや中央オーストラリアのアボリジニの地など、チャトウィンが歩いた道を自らも辿り、チャトウィンが魅了された「ノマディズム/放浪」という、人間の存在の根底にある大きな概念を探究する旅に出る。


自分はどのように生きてゆくのか。

旅人で作家のブルース・チャトウィンは、幼少の頃、祖母の家のガラス張りの飾り棚にあった“ブロントサウルス”の毛皮をきっかけに、先史時代や人類史に関心を抱いた。美術品の蒐集家、考古学の研究生、ジャーナリストと、様々なフィールドで非凡な才能を発揮したチャトウィンが最終的に選んだのは自らの足で旅をしながら小説を書く人生だった。南米を旅し、デビュー作「パタゴニア」を書き上げたチャトウィンは、その後、アボリジニの神話に魅せられ、中央オーストラリアを旅した。当時は不死の病だった HIVに感染し、自らに訪れる死を悟ったチャトウィンは、死が近づいたアボリジニが生を受けた地に帰還するように、物語の中で自らの死に方を探りながら「ソングライン」を書きあげた。映画は、一枚の毛皮から始まったチャトウィンの旅がユーカリの木陰の下で終わるまで、その過程で交差した人々のインタビューを交えながら、全 8章、ヘルツォーク監督自身のナレーションで綴られていく。


Profile


ブルース・チャトウィン | Bruce Chatwin

作家( 1940年─ 1989年)
イギリス生まれ。オークションで有名なサザビーズで美術鑑定士、収集家として成功を収め、その後、エジンバラ大学で考古学を専攻する。幼少の頃から先史時代に興味を持っていたチャトウィンは、見慣れない物を求めて世界中を歩いた。 1978年に「パタゴニア」で作家デビューを果たし、栄誉ある数多くの賞に輝き、時代を代表する作家としての地位を築く。 1989年にHIVで他界するまで 7作の小説を発表した。
biography
1977 「パタゴニア」(芹沢真理子訳/河出書房) 1980 「ウイダーの副王」(旦敬介訳/みすず書房) 1982 「黒ヶ丘の上で」(栩木伸明訳/みすず書房) 1985 「パタゴニアふたたび」共著ポール・セルー(池田栄一訳/白水社) 1987 「ソングライン」(北田絵里子訳/英治出版) 1988 「ウッツ男爵」(池内紀訳/白水社) 1989 「どうして僕はこんなところに」(池央耿、神保睦訳/ KADOKAWA)
関連書籍 2020 「ブルース・チャトウィン」著ニコラス・シェイクスピア(池央耿 訳/ KADOKAWA)

ヴェルナー・ヘルツォーク| Werner Herzog

映画監督( 1942年─)
ドイツ生まれ。 1960年から 60作以上、映画の監督、脚本、プロデューサーを務める。ヴェンダー
スやファスビンダーと並ぶニュー・ジャーマン・シネマの旗手。『カスパー・ハウザーの謎』( 74)
でカンヌ国際映画祭審査員グランプリ、『フィッツカラルド』( 82)で同監督賞を受賞する。近年
では精力的に Net.ixやAppleなどオンライン配信会社とドキュメンタリー作品を手がけている。
ヘルツォーク監督のドキュメンタリーが日本で劇場公開されるのは、『世界最古の洞窟壁画忘
れられた夢の記憶』( 2012)以来10年ぶり、岩波ホールでの作品公開は『アギーレ・神の怒り』( 83)以来39年ぶりとなる。

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信濃公堂(信濃木崎夏季大学)